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技術コラム

多段プレスとは

2021-12-01
北川精機が得意とする真空多段プレス
北川精機の主力製品である真空多段プレス(多段式平板ホットプレスなどとも呼ばれる)は、シート状素材の積層貼り合わせに特化した油圧プレス装置で、板金加工などで使用される鍛圧機械の油圧プレスとは異なる特徴を持っています。

平板ホットプレスは、プレスの上下定盤に熱板と呼ばれる平板状の加熱金型があらかじめセットされており、この熱板の間にシート状の対象素材を挟み、加熱しながらプレスで加圧することで貼り合わせを行います。

多段プレスでは、この上下の熱板の他に、中間にも熱板を配置することで、素材を挟むプレス装置の開口部(=製品を投入できる段)を複数設けています。

加えて素材の加圧部分(通常は熱板全体)を減圧できるチャンバー内に収め、真空雰囲気で成形することができる真空プレスとすることで、成形時の気泡の発生や素材の酸化を抑えることが出来ます。
多段プレスの特徴「高い生産性」
シート状素材の貼り合わせには平板プレスの他に、連続生産が可能なロールプレスなどがありますが、高い平坦精度や寸法精度、熱・圧力履歴の均一性などが求められる成形品において、その品質はバッチ式の平板プレスにはかないません。

このバッチ式の平板プレスの品質で、生産性を高めるべく同時に複数の製品を成形できるように工夫されたものが多段プレスです。
熱硬化性樹脂を使用した貼り合わせでは、硬化するまでの規定時間の加熱・加圧が必要となり成形時間の短縮が図れません。
多段プレスでは1台のプレス装置で段数分の成形を同時に行うことで、生産性を上げることが出来ます。

さらに薄層素材の貼り合わせでは1段あたりに複数の成形品を重ねて投入することから、段数x投入数の製品を同時に製造することができ、20段のプレスの各段に20枚分の素材を投入すれば、1度に400枚の製品を成形できることになります。
多段プレスの主な用途はプリント基板
現在、真空多段プレスの用途で主要なものはプリント基板です。

電子機器には必要不可欠なプリント基板、このプリント基板の材料となる銅張積層板(CCL)の製造用で真空多段プレスが使用され、絶縁層となるガラスクロスにエポキシなどの熱硬化樹脂を含浸したプリプレグと、銅箔の貼り合わせを行います。

熱板サイズは1mx2mを超え段数も10段以上なかには20段以上もある大型の真空多段プレスが使用されています。
このCCLに電子回路を印刷・エッチングした後さらに絶縁層と銅箔を重ねていく多層化工程でも、同様に真空多段プレスが使用されます。

現代の情報化社会に欠かせない携帯電話の基地局やスーパーコンピューターなどでは50層を超える高多層なプリント基板が使用され、その積層には極めて高い精度が求められており、当社の真空多段プレスが活躍しています。
その他用途
プリント基板用途以外では、センサーやヒーターなどのフィルムラミネートや樹脂封止、また金型を使用して板状の樹脂板やゴム製品の製造にも用いられています。

従来より大型で真空無しのものがベニヤ板や突板・メラミン板など合板や化粧合板、サンドイッチパネルなどの建材や構造材の製造にも広く使用されてきました。

そして、近年注目の軽量素材である熱可塑性CFRP積層板の成形にも、多段プレスを適用する研究開発がなされており、今後の発展が期待されています。
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